中国企業によるJPOへの出願状況について③

~第3回:2017年出願人別ランキング~

中国企業による日本特許庁(JPO)への出願状況を弊所において独自調査致しましたので、その結果を数回に分けてレポートします。第3回は、中国から日本への特許出願の公開件数及び登録件数、並びに、実用新案登録件数の出願人別ランキングです。なお、この調査は弊所が商用データベースを用いて独自に行ったものでJPOにより発表されたものではなく、若干の誤差が含まれている可能性があることにご留意下さい。

1 特許公開件数のランキング

 中国企業(台湾除く)による2017年1月1日から2017年12月31日までの特許出願公開(PCT国内移行の日本語翻訳文のJPOによる公表を含む)件数は、4077件でした。そのうち、公開件数が最も多いのはHuawei (華為)で858件、続いて小米(シャオミ)で407件です。3位のZTEを含めて上位三社が通信機器会社という興味深いものとなっています。公開件数が多い上位10社を表1に示します。
<表1>
 表1を全公開数に対する出願人別の比率として表したグラフが図1です。図1から、上位10社で公開件数のほぼ半分を占めていること、Huawei (華為)の公開件数が他を大きく引き離していることが分かります。
<図1>
2 特許登録件数のランキング

 中国企業(台湾除く)による2017年1月1日から2017年12月31日までの特許登録件数は、2409件でした。そのうち、登録件数が最も多いのは、Huawei (華為)の451件、続いて小米(シャオミ)の197件です。特許登録件数が多い上位10社を表2に示します。
<表2>
表2を全登録数に対する出願人別の比率として表したグラフが図2です。公開件数の上位10社に入っていない清華大学(公開件数では13位)が9位に入っているのが目立つほかは、図1とさほど大きな違いはありません。
<図2>
3 実用新案登録件数のランキング

 中国企業(台湾除く)による2017年1月1日から2017年12月31日までの実用新案登録件数は、328件でした。実用新案登録件数が多い上位9社を表3に示します。表2と表3を比べると、実用新案の上位出願人が特許の上位出願人とは全く異なることが分かります。また、特許の場合は上位10社で件数のほぼ半分を占めていますが、実用新案の場合は、全体の中で上位10社の占める割合は20%程度に過ぎません。
<表3>

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