中国企業によるJPOへの出願状況について①

~第1回:2017年までの15年間の推移~

中国企業による日本特許庁(JPO)への出願状況を弊所において独自調査致しましたので、その結果を数回に分けてレポートします。第1回は、2003年から2017年までの15年間の公開件数、特許登録件数、実用新案登録件数の推移です。なお、この調査は弊所が商用データベースを用いて独自に行ったものでJPOにより発表されたものではなく、若干の誤差が含まれている可能性があることにご留意下さい。

1 アウトライン
 中国企業(出願人住所が中国国内となっている企業。台湾除く)による2003年から2017年までの出願公開(PCT国内移行の日本語翻訳文のJPOによる公表を含む)件数、特許登録件数、実用新案登録件数を1年ごとに調べました。その結果を表1に示します。

<表1>

このように中国企業の日本への公開件数及び特許登録件数はこの15年間で大幅に伸びたと言えます。また、特に昨年は公開件数が1000件以上増加しています。中国企業の技術力の向上に伴い、今後も公開件数及び特許登録件数は引き続いて増加していくことが見込まれます。

 おおざっぱに特許公開数に対する特許登録数の比率を見てみると、2003年には特許が登録されるのが10件に1件程度だったのが徐々に比率が増加し、2010年には4件に1件程度、2013年には2件に1件程度、2017年には2件に1件を超える割合で特許になっていることが分かります。

2 公開件数の推移

 表1に示した公開件数をグラフにしたのが下記の図1です。2003年頃は直接出願とPCT国内移行で件数に大きな差はありませんでしたが、近年直接出願に比べてPCT国内移行の件数が大きく伸びていることが分かります。

<図1>

3 登録件数の推移

 表1に示した特許及び実用新案の登録件数をグラフとしたものが下記の図2です。実用新案に比べて特許の伸びが大きいことが分かります。

<図2>

2017年に登録された2409件の公開年別の件数を示したのが、下記の表2です。2016年公開の件数が1213件で最も多く、次に2015年公開の508件となりました。また、公開が2017年又はそれ以降となる件数も463件あり、非常に多くなっています。

<表2>
2017年登録案件の公開年別件数

 

 

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