中国語と日本語は、何れも漢字を使用する言語であり、字体、発音が異なるものの意味が酷似する単語が沢山あります。例えば「発明」は「发明」、「商標」は「商标」です。
しかし、有名な話ですが、「手紙」は日本語では所謂レターの意味であり、中国語ではトイレットペーパーを意味します。また、「老婆」は日本語では高齢の女性を意味しますが、中国語では奥さんを意味します。つまり、同じ漢字を使ってても意味が全く異なるものも多々あります。
特許翻訳において、中国語又は日本語に同じ単語があるという理由でよく調べずに使用すると笑い事では済まされない事態になり得ます。
例えば、日本語の「酸化」と中国語の「酸化」は何れも同じ漢字を使用していますが意味が異なります。
日本語の「酸化」は、英語の“Oxidation”を意味します。つまり酸素が結合する化学反応を意味しています。
一方、中国語の「酸化」は、英語の”Acidification”を意味しており、「酸性にする」又は「酸性になる」という意味になります。漢字で日本語に訳すなら「酸性化」と訳すのが妥当でしょう(例:Ocean acidification =海洋酸性化)。
因みに、日本語の「酸化」(Oxidation)は中国語では「氧化」といいます。
中日、日中何れの翻訳に於いても、意味を調べずに安易に「酸化」を「酸化」と訳すと、まるで意味の通らない内容になるか、或いは、運良く査定になっても意図したものとは違うものに特許が付与されてしまう事になりますので、注意が必要です。
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